雑記

一年で三千万円以上のお金を失った経験があるからこそ、資産運用を始める/継続するために必要な〈失っても痛くないお金〉を作るためにポイ活をオススメしている〈1〉

小学生の低学年のころから、お年玉をもらって自分で郵便局へ貯金に行くのが好きだった。当時は金利が6%以上あったので、利息がどんどん増えていく通帳を眺めては「これでおじいちゃんになる頃には、お金がたくさん増えているなあ」なんて考えたりしていた。子どもっぽくない子どもだった。

二十代になって株式投資を始めた。その後投資信託や債券はもちろん、信用取引やFXなど、世の中の金融商品は一通り試してみた。なんでも自分で体験すると、知識だけでは分からない肌感覚を得ることができる。

その経験で分かったことはひとつ。

《お金が減るのは苦しく悲しい》ということ。当たり前のことだが、実際に減らしてみるとよく分かる。「お金を失う=増やしてきたこれまでの時間を奪われる」ということであり、汗水流したすべての時間が走馬灯の如くよみがえり、声帯からではなく、胃から声が出るようになる。きゅるきゅるきゅると胃が泣き始めるのだ。

一年で三千万円以上のお金を失ったことがある。その前の年に同じくらいの利益を得ていたので、プラスマイナスはゼロのように思われるかもしれない。が、ちがう。税金の支払いが残るのである。単純に600万円近く。

「払わないとは言わないので、分割にしてほしい」

役所に頭を下げに行った。胃はやっぱり泣いていた。
あの日僕の涙を吸った役所の机は、僕の税金で維持されている。

〈2〉へ続く