雑記

経営理念から事業が見えるようにした方がいいのかどうか、そもそも何を書けばいいのか。

「経営理念からは事業が見えた方がいいと思うんだけど、どう思う?」

経営者の先輩である本田さんからそんな問いかけをいただいた。名古屋まで一緒に行って、のほほんと鍋焼きうどんやケーキを食べた本田さん。時々鋭い発言をして、示唆を与えてくださる。

うーんうーん。面白い質問だなー、なるほど。

ところで、経営理念って何なんだろう?
AIに聞いてみる。

“経営理念とは、企業の活動方針の基礎となる基本的な考え方です。具体的には、経営者の哲学や信念、価値観を明文化し、企業の存在意義や使命、目指すべき理想像を表現したものです”

ほぅ。わかったようなわからんような。

「当社では毎朝、経営理念を社員みなで唱和しておりまして。最近になって、浸透してきた感があるんですよ。でへへ」

こんな風に語る経営者の話をよく聞く。おお。毎朝みんなで唱和すると経営者の哲学って浸透するのか。でもそれって、浸透っていうの?ただの暗記じゃない?

朝礼で唱和って、いまどきの若い人たち、嫌がらない?

「聞いてくださいよー。うちの会社、毎朝スローガンみたいなやつ、全員で読み上げさせられるんですよ。たまりませんよほんと」

自分なら、居酒屋で焼酎を飲みながらそんなことを言ってそうな気がする。言うよなあ、絶対言う。

経営理念って、憲法みたいなもんだと思うのです。根幹。根っこ。

なにか意見の対立があったときに、方向性をどうしようかと迷ったときに、「ほら、憲法に書いてあるじゃん」という考え方をする。それが法律であり、憲法。

たとえば、

「いやだー、外国のことなんてどうでもいいやん。日本のことだけ考えていようよ」

なんて誰かが言ったとしても、憲法の前文には

“われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて…”

なんてことが書いてあるので、そうか、だったらその方向性でいくしかないか。よし、いこうぜえぶりばで。やってやろうぜ。やるぞー、となる。

それが憲法の役割、経営理念の果たすべき役割。

自分はそんな風に考えるのです。

ただ、「書いてあるから従え」では、朝礼でする唱和と一緒なんですよね。独善的で強制的。それでもって「うちはいい組織なんですよー」と語っている経営者を見ると、「わーい、おめでたいおめでたい」とクラッカーを鳴らしてあげたくなってしまう(嫌味ですよ)。

書いてあるから従え、ではなく、まず、自分が書いたのだからそれに沿った行動をするという模範を示すべきなんじゃないかと。

→この時点で、【経営理念は具体的な行動を伴いやすいものにするべき】と自分は考えます。

そして次に、何か「コト」が生じるたびに、この理念に沿えば判断ができるものになっているかどうか。大事なんじゃないかと。

→【経営理念は意思決定、行動判断の基準になるもの】

で、あとは何よりも、それを浸透させるために、そういうチームなのだという色、におい、雰囲気を出すために、普段から「問いかけ」をすることで、経営理念が自然と身についているような社内の雰囲気を作るべきなんじゃないかと。

→【経営理念はにじみでるもの】

寝起きでね、まだ目やにも残ってるのに、顔も洗わないで書いているもんだから支離滅裂になってるのは承知しているんだけどね。

なんの話だったっけ。

ああ、経営理念からは事業が見えた方がいいのかどうか、という本田さんからの問いかけだった。

そうですよね。
深く考えたことはなかったけど、ここまで書いた通り、僕はきっと、この問いかけには「イエス」なんでしょうね。

「なくてはならないオンリーワンの企業を目指し、お役立ちで貢献し続ける」

とか。

この「なくてはならない」「オンリーワン」「お役立ち」「貢献」というキーワードって、入試頻出問題感ありすぎなんじゃないかなー。というか、そういうのって

「会社やってるんだから、当たり前なんじゃない?」

なんて自分は思っちゃいますね。もっともっと言えば、会社がすでにあるのに経営理念を考えるという順番がもう、社員を不幸にしているような気がすると思うのです。

理念があるから会社を始めたんじゃないの?

社内で発表ー。結果はっぴょうー。

そんな感じで経営指針や理念を伝える場を持つ。あれ、かっこいいですよね。呼ばれたこともあります。「ごはん出ますか?なにか食べられるなら行きます」って聞いてから参加した。

ただね、もしももしももしも、前述したように、これまで理念なく会社経営をしていたのなら…。

その経営者さんは、最初に【謝る】べきなんじゃないかと思うのです。

「今までごめんな、地図をちゃんと持っていなかった。みんなを路頭に迷わせるところだった。本当にごめん」

それを伝えられる人が【経営者であり、リーダーでもある】と思うのです。経営理念を作ったから、指針をつくったから、だから発表するぞ浸透させるぞひゃっほーいでコトが進むとすれば、世の中こんなに簡単なことはないと思うのです。

もし、地図を持っていなかったのなら「ごめん」
描いた地図に沿って動きだしてくれたなら「ありがとう」

それがいいチームなんじゃないかな。
そのための「経営理念」なんじゃないのかな。

《伝わる喜びを想像して、伝えるチカラを創造する》

うちの会社の経営理念はこれです。どんな事業か分かるようにしてある。誰をどんな風に幸せにしたいか、そのために自分たちに必要なことは何か含めてある。

だから社内でも聞くようにしてますよー。

「どう?納品したの、喜んでもらえた?反響どうだったって?」
「これ、いいデザインやん。めっちゃ勉強したんやねー。わかるー」

理念をそうやって、行動指針に落とし込んで【日常の習慣】にまで浸透させていく。僕はそのプロセスの方が馴染むので、常日頃、「想像」という言葉を多用して、意識に行動にすり込ませるようにしています。

お役立ち。

いいんだけども。
それって当たり前で、顔が見えてこないよなぁ…。

なんてまた、書きすぎると怒られるので、本田さんにマイクをお返ししますー。